随分昔。

少女漫画だったと思うのだが、『カラス』と言う存在についての漫画を読んだ覚えがあり、未だに探している。

タイトルがカラスではなく、宇宙の話で、どこかの星に着く調査員。星を説明してくれるものと歩き、1人の唱う人物を見る。

唱っている子供は12・3歳くらいの子供で、性別もわからない。
その歌い手に群がる星の住人。

けれど、その唱い手が血を吐き倒れると、星の住人はさっさと立ち去り、他の唱い手の元へと。
放置された唱い手は、そのまま葬られる事もない。



星の案内人に聞くと、その唱い手は『カラス』と呼ばれていて、星の住人を命を賭して癒しているのだと。
唱い手はそれ以外に何もできず、星の住人は、怪我をした、お金がない、友に裏切られた、悲しい、苦しいなど、
些細なことでもカラスの唱の癒しによって癒されるが、唱えなくなったカラスは用済み。

誰にも振り向かれない。

その姿を見て、調査員は違和感と嫌悪感を抱きながら次の星へと調査に向かう…


まあ、そんな感じの話だったような。
昔の短編なので、うろ覚えだけど、子供心にショックを受けたことがある。
小学校、4年か5年くらいの時だったと思うんだけど。

ちょうど、そのくらいの時に親の問題や、障害のある弟の事でのクラスとのイザコザ。

宗教ではなく、宗教に群がる人が嫌いになり、慈しみの心に違和感を覚えた時代。
当時は少なかった癒しの職業に反発を覚えた時代。

そして師匠に言われた一言。
『無理に優しくある必要はない。流行に追われる必要もない。自分の背丈で生きなさい。
背伸びしても、誰も喜ばないし、必要な優しさは皆が持っている。出来ることを出来るようにすれば良い。
ただ、誰かと手をつなぐことだけは、忘れないようにしなさい。それは寂しいことだから。』

私は今、一人で唱い血を吐くカラスになってはいないだろうか。
誰かと手をつなぎ、歩いていられるだろうか。

それから何年も、何十年も経って、私はここに居る。
私に背丈で人に優しくできるといいなと学びを進めている。
時に、ちょっと背伸びをしてしまって、迷惑をかけていることもある。

多分、手をつなげていると思える人もいる。

今でも記憶に残っているあの漫画は、どこの誰の作品だったのだろう。